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皆さんこんにちは。
キナリデザインの立川です。
ある程度覚悟はしていましたが、9月になっても相変わらず蒸し暑いですね。
屋外で働く人たちには本当に頭が下がります。
私は、先日数時間ガーデニングをやっただけで、かなりの疲労感を覚えました…。要注意です!
というわけで、今回はほんのわずかでも清々しさを感じられる和風庭園をご紹介します。
まずは、千葉市内の都市緑化植物園。
真夏にもかかわらずやはり水辺は涼しく感じられます。
廻りの緑も、水に濡れて更に青みを増して良い雰囲気になっていますね。
ただ上流から下流に向かって流れていくだけでなく、石や岩があると緩やかな流れが違う景色を作り、やさしい時間になります。
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さて、こちらはやはり千葉市内の千葉公園です。
ここ数年で千葉公園はかなり新しく生まれ変わりました。
2019年(令和元年)に「千葉公園再整備マスタープラン」が策定されました。
千葉市が民間の活力を導入して、公園のオープンスペースを改修し、交流の場や集客施設を設ける事業を進めてきました。
野球場跡地を芝生を中心とした広場にするなど、かつて運動競技主体だった施設をより多用途・憩いの場としてリニューアル。
そして、8,000 平方メートルの芝生広場を中心とする「賑わいエリア」が2024年4月26日に全面供用を開始。
周辺にカフェ・レストラン、イベントスペース、スケートボードやマウンテンバイクなどアウトドアアクティビティ施設、子ども向けのイベントなど、多様な利用が可能な施設が整備されました。
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更に自然や緑に関しては、老朽化した施設・樹木の過密化など、従来から指摘されていた問題に対応するための整備が行われています。
またこちらの写真にあるように、和の雰囲気を意識した「好日亭」というカフェ施設(和の雰囲気を活かしたベーカリーカフェ)が計画・設置されています。
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好日邸の店舗と庭・外観の特徴としては、芝庭(しばにわ)に面した庭園的な空間を備えており、ガラス張りの建物から広い芝生を眺められるようになっています。
外構は木材や和のテイストを活かした意匠でまとめられており、現代的なカフェの開放感と伝統的な日本の庭の静けさを融合させています。
周辺には植栽帯や和風の樹木(モミジ・マツなど季節感を感じさせる木)が配置され、自然と調和するデザインになっています。
店内からは大きな開口部越しに芝庭の緑が見えるようになっており、四季折々の景観を楽しめます。
外にはテラス席も設けられ、庭と一体的にくつろげる場所になっています。
公園利用者が散歩の途中で立ち寄れるカジュアルさと、和風庭園的な落ち着きを両立させています。
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千葉公園の伝統ある自然景観(大賀ハスの池や樹林帯)と、新しい賑わいエリア(芝庭・イベント広場)をつなぐ“ハブ”のような場所。
従来の「公園内売店」とは違い、庭を眺めながら食事や喫茶を楽しむことができる、文化的な拠点として設計されています。
つまり「好日亭の庭」は、伝統的な日本庭園のように築山や池泉を持つものではありませんが、芝庭を背景にした和モダンの庭空間としてデザインされ、千葉公園の新しいランドマーク的な存在になっています。
お近くの皆さん、是非訪れてみてくださいね。
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さて、またちょっと都市緑化植物園に戻りまして、園内の水琴窟がある辺りの風景です。
飛び石と刈り込まれた常緑樹と奥に配置された落葉樹で、和風庭園風に仕上げてあります。
左奥の深い緑色のクロマツは、庭園で定番の樹木で、枝を段々に整えて「立体感」を出しています。
手前の低く刈り込まれたツツジも定番です。花の時期に色彩を添えると同時に、丈夫なので刈り込みで球形に整えられます。
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ここからは、佐原での風景です。
★★★飛び石・石畳のアプローチ★★★
自然石を割って敷いた石段が奥へと導線をつくっています。
石の表面に苔が生えており、年月を経た落ち着きや「侘び寂び」の雰囲気を演出。
わずかに段差をつけて奥に向かう構成は、茶室や和風建築のアプローチでよく見られる形式です。
♢♢♢周囲の植栽♢♢♢
石畳の脇にはシダ類や低木が自然な形で植えられ、緑が石を縁取っています。
地被植物(地面を覆う植物)が茂り、人工的になりすぎない“自然な雑木の庭”のような景観をつくっています。
足元の緑がアプローチの硬さを和らげています。
♡♡♡奥の建物と木立♡♡♡
アプローチの先には茶室風の建物が見えます。
建物前には雑木が植えられており、四季折々の表情を楽しめます。
木漏れ日が差し込み、陰影が強調されることで奥行きを感じさせています。
☆☆☆板塀と外壁☆☆☆
右側の横格子の板塀は目隠しと同時に風や光を通す工夫がされ、庭全体を引き締めています。
左側は建物の外壁(縦格子と雨樋)、こちらも和の意匠で整えられています。
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こちらの写真中央に映る曲がりくねった小道は「園路」と呼ばれます。
曲線的に配置されており、まっすぐ進まずに「先を隠す」ことで、歩く人に景色の変化を楽しませる工夫がされています。
足元は砂利や洗い出し舗装のような質感で、自然石とも調和する仕上げです。
左右には刈り込みを施した椿やモチノキ類の常緑樹があり、きれいな球状に整えられています。
背景には背の高い樹木(マツやカシ類など)が配され、立体感を出しています。
下草にシダや苔が見られ、緑の濃淡が奥行きを感じさせています。
木漏れ日が園路に落ち、明るい部分と陰の部分が交互に現れることで、歩く体験にリズムを与えています。
これは和風庭園の「陰翳礼讃」の美意識を反映しているといえます。
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こちらのお庭では、日陰に強い植物であるツワブキ、シダ類が明るめの日陰を彩ってくれます。飛び石が曲がるように配置されていて、どんどん進んでいきたくなる期待感を煽りますね。
そして奥には石灯篭も見えます。
この日は晴れていましたが、雨の日でもさぞ風情がありしっとりと庭を楽しむことができたと思います。
こちらの1枚も、前出の陰翳礼讃ですね。
西洋の明るく光を強調する文化に対して、日本では 光と影のあいだに生まれる微妙な美しさ を尊ぶことを説いたものです。
〇〇〇光を抑える美〇〇〇
日本の伝統建築や庭園では、強い光よりも「薄暗さ」や「影の中のきらめき」に美を見いだします。
たとえば、漆器や金箔は、暗がりの中でほんのり輝くことで一層美しく見えるとされました。
〇〇〇不完全・不均質の美○○○
均一で明るい光ではなく、障子や格子越しのやわらかい光、木漏れ日のまだらな陰影などに独特の趣を感じます。
〇〇〇静謐な雰囲気〇〇〇
陰影によって空間に静けさや奥深さが生まれ、心を落ち着かせる効果を持ちます。
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ある店舗の蔵の前には、和風庭園の定番のひとつ、蹲(つくばい)がありました。
蹲とは茶庭に設けられる「しゃがんで使う手水鉢」で、心身を清めるための装置です。
蹲は単体ではなく、いくつかの石を組み合わせて設けられます。
基本は「蹲踞の四石(よついし)」と呼ばれる配置です。
①手水鉢(ちょうずばち) … 水をためる石鉢(中央)
②前石(まえいし) … 客がにじり寄るための石(正面)
③手燭石(てしょくいし) … 灯明や行灯を置く石(左側)
④湯桶石(ゆとういし) … 手桶を置く石(右側)
役石(やくいし) … 後方や周囲に配置される補助的な石
これらに加えて、水を導く竹筒(筧=かけひ)が組み合わされることが多いです。
ストレスを感じたら、緑を眺めに出かけてみませんか。遠出をしなくとも意外と身近にほっとできる公園や庭園があるものです。
スキマ時間に探してみてはいかがでしょうか。
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