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Kinarino Column ~初夏のレンガ工場見学~

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    皆さんこんにちは。
    キナリデザインの立川です。
    今日はいきなりの雨が降ったりやんだり忙しいですね。
    そして湿度も気温も高く、イライラ度数が上がってしまいそうですが、何か気分の紛れることに思いを馳せましょう。

    さて今回は、北海道江別市にある米沢煉瓦さんを訪ねたお話。
    設立は1939年(昭和14年)、江別市元野幌にある、道内で現存する最古のレンガ工場のひとつです。
    江別・北海道庁旧本庁舎(赤レンガ庁舎)などの大規模建築や、岩見沢新庁舎、全国の幼稚園・小中学校にも納入実績があります。

    最初の出会いは4月に行われた幕張メッセでのEXG。
    工場見学に伺う約束をし、先日その約束を果たしましたので、その模様を少しご紹介します。
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    江別市のレンガ製造は、1890年代の本格稼働時期から明治・大正期にかけて北海道開拓を支える産業として発展しました。
    野幌粘土と交通インフラがその基盤を支え、最盛期には15社が操業するレンガ工業都市となったのです。
    今日では歴史的建造物を残しつつ、文化としての継承と観光資源としての再評価が進んでいます。
    工場の2階に上がると、左下方に見えるのがレンガの原材料だそうです。
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    明治〜昭和初期にかけて、レンガの成型には木枠(木製の型枠)が使われていました。これは、「手込み成型」とも呼ばれる、近代的な機械が導入される前の方法です。

    こちらがその木枠。
    米沢煉瓦では現在でも木枠が使用されているそうです。
    成型できたら、ピアノ線ワイヤーでカットします。
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    その後じっくり時間をかけて乾燥させます。
    数日から数週間、風通しのよい日陰で乾かします(ひび割れを防ぐため)。
    この乾燥が不十分だと焼成で崩れてしまったりします。
    乾燥の間に成型したサイズより約20%縮小します。

    乾燥の工程を経て、焼成へ。
    写真は焼成前の櫓組の状態です。
    この方法だと、異形のレンガでも崩れず焼けるとのことです。
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    最終的に窯(約80m)に入れて約900~1000度の高温で焼き、赤〜茶色の硬質レンガが完成。
    焼く温度によって異なる色のレンガが出来るそう。
    低めの温度では赤っぽいいわゆるレンガ色に、そして高温だとより黒っぽい色に。

    因みにこちらの窯に使われているのは耐火煉瓦。
    また別の種類のレンガで、製造方法や原料も異なります。
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    窯の内部では、
    ・予熱ゾーン(入口):前の焼成熱を利用して徐々に温度を上げる
    ・焼成ゾーン:最も高温(約1000~1200℃)でレンガを焼く
    ・冷却ゾーン:空気を当てて徐々に冷ます
    に分かれており、一番高温になる焼成ゾーン周辺のレンガは近年交換されたばかりだそう。

    写真は焼成後の様子。

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    工場の外にはレンガの在庫がたくさん。
    こちらで製造されている一般煉瓦の吸水率は10%以下。
    更に「アッシュブリック」はフライアッシュ(石炭灰)を混ぜた再生材料レンガで、JIS 4種(吸水率 ≤ 10 %)をクリアしています。
    また、石炭灰混合技術により焼成方法を工夫することで、吸水率は 6 % から 4 %まで低下できることが報告されています。
    低い吸水率は、耐凍害性や耐久性の向上につながるため、北海道のような寒冷地では特に重要です。
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    色や形は様々。

    ★カラー(天然素材+焼成操作による):
    赤色(標準酸化)
    焼過色(焦げ茶)
    中性色(中間トーン)
    還元色(黒赤系)
    マンガン色(深赤〜黒)

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    ★形状バリエーション:
    ・定番21×10×6 cm他
    ・クロス型(雪の結晶モチーフ)やストレート型は、角に突起をつけ摩耗を防ぐ構造
    ・六角レンガ、I型、縁石、平板、タイルなど多彩

    ★加工・風合い:
    「クラシックレンガ」(角を意図的に砕いた古レンガ風)やBCレンガによる経年表情、ワイヤーカット・割肌による粗面仕上げなど

    ★用途別:
    ・敷レンガ・敷レンガ(インターロッキングタイプ)
    ・積レンガ(鉄筋を通せるように穴が開いているもの)
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    米澤煉瓦工場の敷地内で見つけました。
    こんな形のレンガもできちゃうんですね。
    これがクロス型でしょうか。北国ならではのアイデアですね。
    当日お忙しい中、時間をかけてじっくりガイドしてくれた専務さん、有難うございました。

    近年はやりのグレー、ブラックベースの建物にも合いそうなレンガがたくさんありましたので、ガーデンやファサードに取り入れたいと思っています。
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    そしてこんなレンガの使い方も!
    レンガの会社ならではの贅沢な積み方に思わずため息が…
    レンガ好きにはたまらない一瞬でした。

    レンガの使い方にはまだ様々な方法があるようで、いろいろと参考にしながら外構計画に組み込んでいきたいです。
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    こちらは札幌市内にあります、石屋製菓の白い恋人パークの園内の花壇で使用されている煉瓦です。
    イギリスの公園をモチーフに作られていますので、レンガは北海道製ではなく、イギリスから輸入された古いアンティークレンガです。

    ここにもバラや針葉樹、その他小さな草花がたくさんあり、レンガやタイル、自然石との相性はばっちりです。
    イギリスの公園をモチーフに作られています。
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    こちらはつい先日オープンしたばかりの、ロイズチョコレート工場敷地内にあるローズガーデン当別ロイズタウン店。
    やはりここにもレンガが使われていました。
    公園やバラ園、植物園等自然が豊かな場所には必ずと言っていいほどレンガが使われています。
    樹木や草木のグリーンとのマッチングがベストなのです。

    いかがでしたでしょうか。
    皆さんの参考になれば幸いです。


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